フランス発のSNS「BeReal（ビーリアル）」は、1日1回の通知に応じて、今この瞬間をそのまま投稿するという仕組みで世界的に人気を集めています。
加工も演出もないリアルな日常を共有できる点が魅力ですが、その一方で「プライバシーが心配」「BeRealは危険なのでは？」という声も増えています。
実際に、写り込みや位置情報の扱いによっては、本人が意図しない個人情報が公開される可能性もあり、SNS初心者にとっては注意すべきポイントが多いサービスです。
本記事では、BeRealの基本的な仕組みから、考えられる危険性、プライバシーの観点で気をつけたい点、安全に使うためのコツまでを分かりやすく解説します。
BeReal（ビーリアル）は、フランス発のSNSで「ありのままの日常」をコンセプトに急成長したサービスです。
1日1回だけランダムに通知が届き、その2分以内に前後同時に写真を撮影するというほかのSNSにはない特徴的な仕組みを持っています。
ほかのSNSのように加工を重ねたり、映えるシーンを演出したりせず、その瞬間の自分をそのまま投稿するのがBeRealの魅力で、Z世代を中心に利用者が世界中に広がっています。
投稿される写真は、
など、本当に日常そのものです。その飾らないスタイルが「リアルで安心できる」と好評な一方、ユーザーの生活環境が写り込みやすいことから、プライバシー面の不安を抱く人も増えています。
BeRealの危険性について気になる声が増えているのは、まさにその背景によるものです。
BeRealはうまく使えば安全に楽しめますが、「リアルを強制的に撮影する」という特性を理解しないと、意図しない情報が公開される可能性があります。
BeRealは、ほかのSNSよりも「生活のリアルがそのまま写る」という点で特有のリスクが存在します。ここでは、特に注意すべき危険性を、理解しやすい形で整理します。
BeReal最大の特徴は、前後のカメラが同時に撮影される点です。正面で自分の顔を写しながら、背面カメラではその瞬間の風景や室内が写ります。
何気ない部屋の背景やパソコンの画面、壁に貼られた郵便物や子どもの作品、会社の資料など、本人が意識していない部分にまで個人情報が含まれている可能性があります。
たとえば在宅勤務中であれば、仕事のモニターがそのまま写ってしまうこともあるかもしれません。カフェで撮影すれば、周りの人の顔が無断で写り込むこともあります。
そして、自宅であれば、間取りや生活環境から住所が推測されることもあり得ます。
これらは、BeRealがリアルな日常を求めるSNSであるがゆえに起きやすいリスクです。
BeRealでは位置情報を投稿に付けることができます。設定からオフに変更できるものの、初期設定や操作ミスのまま位置情報が共有されると、自宅や職場、行動範囲などの情報が自然と蓄積されてしまいます。
たとえば、ほとんどの投稿が自宅の近くで撮影されていれば、閲覧者がこの辺りに住んでいるのだろうと推測できてしまいます。同じ時間帯の投稿が続けば、生活サイクルまで読み取られる可能性があります。
女性や学生のユーザーでは、この点への不安が特に大きく、BeRealが危険と考える理由の多くが位置情報によるものです。
BeRealには通知が来た瞬間を撮るという特性があるため、常にベストな状態で撮影できるわけではありません。職場で集中している時、外出先で疲れている時、家の中が散らかっている時でも、通知が来れば今の自分を撮ることになります。
もちろん投稿は強制ではありませんが、「友達が投稿しているから自分も…」という心理が働くと、義務感が生まれる場合があります。
現代ならではのSNS疲れの一因になる可能性もあり、これをストレスに感じる人もいます。
BeRealの投稿は基本的に友達限定で公開されるため、他人から見られないと思いがちです。しかし、画面のスクリーンショットは簡単に撮れます。
本人が見せたくない情報や、部屋の様子、家族の顔なども、相手の行動次第では外部へ広がる可能性があります。
SNSでのトラブルの多くは、サービス自体の危険性よりも、表示された情報が第三者によって意図せず拡散されることによって起こります。
BeRealも例外ではなく、友達だからといって完全に安心できるわけではありません。
BeRealは、比較的シンプルで安全な構造を持つSNSで、設定を理解しておけばプライバシー保護もしやすく設計されています。
投稿範囲は基本的に友達のみで、位置情報も任意、DM機能もありません。過去投稿は本人だけが見られるなど、他SNSに比べればリスクは少ないように見えます。
しかし、BeRealが抱える本質的なリスクはユーザー自身が予期しない情報を写してしまうことにあります。これは設定では完全に防げません。
そのため、安全に使うには投稿前に周囲を確認する習慣が欠かせません。特に在宅勤務者や学生、子どもがいる家庭では、周囲の生活情報が写り込みやすいため、投稿のタイミングを意図的にずらしたり、通知が来てもあえて撮らない選択をしたりすることも有効です。
BeRealは「今を撮る」SNSですが、必ずしも毎日守る必要はありません。
BeRealは危険なアプリではありません。ユーザー同士のDM機能がないことや、公開範囲が限定されていることなど、SNSとしては比較的安全な仕組みが整っており、悪意あるユーザーとの接触も起こりにくい設計になっています。
しかし、安全性はアプリの構造だけで判断できるものではありません。ここからは安全性の観点から確認しましょう。
BeRealの投稿は、初期設定から友達だけが見られる仕組みになっており、InstagramやXのように全世界へ公開されるわけではありません。
さらにフォロー承認制のため、知らないユーザーに勝手に閲覧されにくい点は、安全性を高める大きな特徴です。
投稿が拡散される仕組みがないため、SNS初心者でも不必要に不特定多数へ露出する心配が少なく、比較的クローズドな空間で利用できます。
BeRealには個別のDM（ダイレクトメッセージ）機能がありません。ほかのSNSでは
といったトラブルがありますが、BeRealではそもそもその仕組み自体が存在しません。
利用者は、コメントやリアクションも友達のみに絞られるため、第三者とのトラブルリスクが大幅に抑えられています。
BeRealの投稿はタイムライン上に蓄積され続けるのではなく、過去の投稿は自分のアーカイブ（Memories）としてのみ閲覧できる仕様です。
他ユーザーには時間が経つと投稿を遡って見られないため、SNS上に生活の記録が永遠に残る心配がありません。日々の行動が追跡されるリスクが少なく、長期的なプライバシー保護の観点では他サービスよりも安全な設計だといえます。
BeReal（ビーリアル）は、リアルな日常を共有できる新しいSNSとして人気を集めていますが、その特性からプライバシーが露出しやすく、危険性が話題になる理由もよく理解できます。
ただし、アプリ自体が危険というわけではなく、ユーザーの使い方によってリスクの度合いが変わります。位置情報をオフにする、背景を確認する、知らない人を友達に追加しないなど、基本的な対策を意識するだけで、BeRealは安全に楽しめるSNSになります。
リアルを共有することは楽しい体験でもありますが、その裏でプライバシー管理が必要になるのも事実です。本記事の内容を参考に、適切な使い方を心がけ、BeRealを安心して利用してください。
